旅に連れていってくれる“運命の言葉”
言葉の風水 運命の言葉(1)
氣のなかで強いものに言葉の氣があります。日本では古くから言霊(ことだま)と呼ばれ、悪いようにつかえばその人を不幸にしてしまいます。そうした言葉が持つ氣を“魔力”として日本人は恐れていました。
“コラッ!踏むな!”
“新聞を踏んではいけない”“本は大事に扱いなさい”
子供の頃、そのようにしつけられた人は幸運です。
幸運な人はたとえ失敗してもすぐ立ち直る人です。
立ち直る人は幸運が積み重なるので結果的にいい人生を送ることになります。
そういう運命になっていくのです。それが「開運」です。運命の道はその人が選べるものです。
しかし、このような人もいます。
「新聞を踏むなだと?意味が分からない」という人です。すでに凶相に見舞われている
ことに気付いていないのです。
近くにそのような人がいたら、教えてあげてください。
■子供時代
子供の頃、遊びに行った家で友人が平気な顔で新聞や本を踏んでいるのを見ました。大変驚きました。お分かりだと思いますが、その友人は成績が悪く、中学になると素行が悪くなりました。暴走族に入ってその後バイク事故で同乗の仲間を巻き添えにして亡くなりました。悲惨な亡くなり方でした。
元々、彼が悪かったわけではありません。普通、なにごともなければ子供はすくすく育ちます。大抵は親に似た子に育ちます。
子をしつけるのは親です。しつけとは、身が美しくなる=躾と書きます。
親子の関係で素晴らしいものの一つがしつけです。「字が書いてあるものを大切になさい」というのもしつけです。字の大切さをについてしつけられた子は、大人になっても床に新聞が落ちていると思わず足先が勝手によけます。
そうやって凶相から自分の運命を“守って”いるのです。言葉には氣があります。日本では言霊といいます。言葉の氣、言霊を守ることを教えてくれた両親に私たちは感謝せねばなりません。
■運命を守る
こんなことがありました。
数年前、台湾に行きました。ホテルのロビーで床に落ちていたチラシが踏まれそうになっているのを見た初老のガイドさんが、サッとかがんで拾ったのです。そして流暢な日本語でこう言いました。
「字が書いてあるものを踏むと馬鹿になるよ。親が踏むと子が馬鹿になるね」
感心する場面でした。台湾には日本の古風が残っているとよくいいます。しかし文字を大切にするのは中国でも同じです。
そもそもなぜ字が書いてあるものを踏んではいけないのか。なぜ字が書いてあるものを踏んだり言葉をないがしろにすると不幸になるのでしょう。